1999年秋〜2000年1月(Pre-Cast修正直前の時期)が最もDUELにハマッた時期だった。この時代はTMS時代と言われ、Duelistの大半がTMS(Tank Mage
Swrodsman)と呼ばれるキャラタイプ。同じキャラタイプなので相性問題等なく、純粋に実力が影響する。何故この時代のDUELが熱かったのか?それは、Pre-Cast、Zero-Delayと呼ばれるシステム上のバグによる影響が強かったからだ。
また、UoAがメジャーツールとなったのもこの頃(まだ非公式だった)で、当時のパッチでは魔法詠唱するのに武器を手動で外す(ペーパードールから手動で武器着脱を行う)必要があった。特に主力武器であるkatanaやKryssの着脱は難易度が高く、的確且つ迅速な武器着脱はP-SKILLに依存していたのだが、UoAによるワンキー着脱のおかげで着脱テクニックは無意味となってしまった。
□ Pre-Cast
魔法Cast中に武器を持ってもCastが潰れない。これは現パッチでは仕様となっているが当時は一応バグだった。後に武器装備でCastしている魔法が潰れるように修正される事になる。このバグのおかげで、Exp
Cast>武器装備>武器Hit>Exp開放という一連のコンボが可能となった。
□ Zero-Delay(略称ZD)
当時は動いているとDelayが溜まらない仕様だった。その為、逃げる相手に武器を当て続けるのは不可能。武器を振るには立ち止まってDelayを溜める必要があったのだ。でもDelayが溜まると武器を着脱してもすぐ振れる状態になるバグが存在した。HALを装備し数秒間立ち止まってDelay溜めるよりWrestling(素手)でDelayを溜めてからHAL装備して武器を振った方が圧倒的に早い。これがWrestling-Delayと呼ばれる技術で、このテクニックを極めるとZD-HAL>Harm>ZD-HAL>Harmのような連続攻撃が出来た。
Pre-CastとZDを組み合わせる事によって基本コンボと呼ばれていたのがExp>EB Cast>ZD>EB開放コンボ。ただし、このワンコンボだけではHP100を削る事は出来ない。
相手に耐えられてしまうとMana40消費という痛手を負う事になるので、コンボを打ち込むタイミングが重要だった。他にも色々PvPテクニックと呼ばれる技が開発されたのでご紹介しよう。
□ 3行詠唱
UoAが公認ツールとして認められていない時代。殆どのPvPerが使ってた技。UOマクロで以下のように組む。(力の言葉は何でもOK)
Corp Por(Sayマクロ)
An Ex Por(Castマクロ)
In Vas Mani(Sayマクロ)
当時はSayの色が今のような蛍光っぽい色では無かったので3行同時に力の言葉が表示するとどれを唱えているのか分からなかった。相手に何を詠唱したのかカモフラージュする為の技。UoAが公認ツールになった後は無意味となった。
□ PoA Beam
この技は今では当たり前に利用されているが当時は物凄い発見だった。EB>EBが繋がり易くなったことによってさらに熱いDUELが可能となったのだ。魔法詠唱後には連続で詠唱出来ないようにDelay
Timeが儲けられている。このDelay
Timeが発動するのが魔法詠唱後であり撃った後ではない。つまり、詠唱後すぐに撃たずにしばらく待った後撃てば即詠唱が可能になるのだ。この技が発見される前から強豪Duelist達は無意識で使っていたのだが、システム理解する事によりコンビネーションの一部として組み込まれる事になる。この技を開発した人物はScV〜A99で活躍したSt.GIGA氏@YMT、命名者はNexus氏
@YMT。名前の由来は、当時Yamatoシャードで暴れていたGuild
PoAのチート(詠唱無しでEB連発etc..)に関連して付けられた。決してPoAが使ってた訳ではないらしい。
□ Zero-Keep(通称ZK)
Zero-Delayの弱点を補う為に開発された技。Peace/Warモード切り替えを連打する事によりハイライトを消し、相手に隣接されてもこちらから攻撃しない状態を作る。この技の利点はDelayが溜まって武器を装備する瞬間、相手に隣接されパンチを出してしまう事を防ぐ。しかしAttack
Lastボタンを連打されると自動的にハイライトしてしまう為、必ずしもMissパンチを防止出切る訳ではなかった。しかし相手が追い込まれている状態だとAttack
Lastキー連打を忘れてしまう時も多い為、多くのDuelistがこのテクニックを愛用した。開発者は当時のWakoku最強PvPerとして名高いWu-Tang氏。
□ 2Hit-Attack
Delayが溜まった状態で武器を装備すると、その装備した武器のDelayが溜まり始める。そのDelayが溜まってしまうと始めに溜めた分が失われるのだが溜まる前に相手と隣接すれば始めに溜めた分のDelayが消化され、武器装備してから溜めたDelayが残る状態となる。残りのDelayを溜めれば2回連続で攻撃できるのだ。(Delayを溜めてからHAL装備>1回脱着を行う>HALのDelayを4.0とすると3.8ぐらいまで溜める>相手と隣接しHALを振る>0.2秒立ち止まりDelay溜める>再度HALを振る)という流れ。ただ、HALみたいに遅い武器だと実戦向けではない。(使用したのは開幕の時ぐらい)Delay2.0〜2.5ぐらいの武器で効果を発揮する上級テクニック。
□ Uma-Keep
Duel Pit専用という条件付きだが、リング外の馬を使って相手とのハイライトを消す。Attackする時はAttack
Lastキーを利用。開発者Unicorn氏@YMT。WDの方が実用的だった為、利用していたPvPerは少なかった。当時のASUKA強豪Duelist
Kujo.Jotaro氏@S-Eが愛用していた。
□ Bom投げ返し
当時のBomは今のようにワンキーホーミングではない。手動で点火し、クリックで投げる。操作に手間が掛かる分、乱用するPvPerは少なかった。しかし上級クラスともなるとワンポイントでBomを利用してくる。私もコンボに混ぜたり、リング上での逃げ道を塞ぐ為に利用していた。しかし極少数のPvPerは、転がってきたBomをW-クリックし投げ返してしまう技術を持っていた。溜めBom(すぐには投げずカウントが少なくなったら投げる事)には通用しないが、進路遮断用Bom(即投げBom)を何度か投げ返された記憶がある。
□ 自爆Bom
当時にW-BomやHoming-Bomワンキーマクロが開発されていたら大変な事になってたに違いない。まだ手動作業重視な時代だったのでExp>HAL>EBコンボに自爆Bomを絡めるだけで技とされていた。Bomの使い方は私が戦ってきた相手ではAerial氏が上手かったと記憶している。
□ 小刻みHeal
DUEL初心者は回復=GHと認識しているが、上級者相手だとGHは簡単に潰されてしまう。回復手段はAttack Last連打(ZK対策)しながら張り付いてHeal連打。このテクニックを極めればそう簡単には死ななくなる。
私のDUELデビューはDuel
Pitではなく身内のDUEL定期集会だった。もちろん誰だって最初は弱い。俺も始めは勝率5割ぐらいだった。しかも操作していたキャラタイプは当時珍しいTMF(Tank
Mage Fencer)今のようにBlowなんてものはないのでSS・Fen・Maceの差は普通に武器性能の差だけだった。Wrestling
Delayで武器が振れるなら必然的にHALを選ぶのが正解だろう。だが、2Hit-Attackを活用という点においてはS.Spearが最も適していた。程よく威力があり、速度も速い。つまりExp>ZD>EB>ZD+Bom>ZDというようなコンボが簡単に繋がったのだ。手数でHALのダメージを上回る作戦は意外に効果的で、私はメキメキと実力を付けて行った。途中からTMSキャラも作り、しばらくは両方のキャラでDUEL。気付けば勝率9割
以上を誇りASUKAシャードを代表するPvPerへ成長していた。
各シャード毎にPitのRuleは違っていた。Yamatoで流行っていたのがMagic禁止、Pot数制限有、APB(※Anti Paralyze BOX)無しルール。APBがないので相手がPara詠唱したらすかさずMA等の対策Spellを詠唱する必要があった。Asukaは、Magic禁止のみでPot無制限、APB有りルール。この為Pot乱用は当たり前で、APBがあるのでParaは殆ど使われなかった。赤Potがぶ飲み出きるので、TM系でSTRを下げてDEXを上げるType(M-DEX
Type)が生まれる事になる。M-DEXの産みの親とも言うべき人物がASUKAを代表するPvPer
Aerial氏。DEXをワンランク上げる事によりWrestlingのDelayを0.5秒縮めより高速なZDが可能になった。さらにKatanaでの削りも安定性が増し、Broad
Swrodでの中威力攻撃という選択肢も増えた。ただ、ダメージを食らうとスタミナが減るのでPot無制限ルールではないとその力を生かす事は出来ない。YMTではm-DEX
Typeが流行らなかったのがその理由だろう。Wakokuはより実践的でMagic有り、Pot無制限、APB無制限ルールだった。その為、当時のスーパーウエポンQ-Staffが猛威を振るいHI-DEX
TypeによるVanq
Q-Staffでの撲殺が最強だった。しかし、徐々にMagic可能ルールが廃れTMSが主導権を握るようになっていき、Wu-Tang氏のような素晴らしいDuelistが頭角を表す事になる。
TMS時代でのASUKA Duel
Pit常連達を紹介しておこう。ここで紹介するのはあくまでPit常連達。Pitに来ないけど強いPvPerもいるという事を付け加えておく。(順不同)
Aerial@LoH、TMZ@LoH、Adis Tia@LoH、ONOYUU@D、Vlad@D、Yuji@D、HIROYUKI@D、Paruru@D、Sakaki@D、Jotaro.Kujo@S-E、HADES@PK、SV@BOY、Hayahidee@BOY、Nachomen@D、MAX@DC、Relvinian@FaX、Makibi@SA、xX
MILLENCORIN Xx@D、Canal@D、Halo@D、Alexander@TEL、Kuma@X、falfade'@LAZ、Death Cythe@D、Aya@AIC、Nankai@SA、Ran@SA
Yamatoはキャラ完成間近という所でPre-Cast修正が入ってしまい満足にDUEL出来なかったのが残念。
直接戦った訳ではないが、Web等で拝見した限りTea氏、Setuna(aiu)氏、Unmo氏辺りの名前がYMT強豪Duelistとして記憶に残っている。
TMS時代の最強と呼ばれるPvPerを挙げるとするならば、Aerial氏@ASK、Unmo氏@YMT、Wu-Tang氏@WKKの3人だろう。共通する点は、みなTMSだという事。私のようにTMFを操作するプレイヤーは皆無に等しかった。
[補足]
Pot=ポーションの事を指す。
APB=Anti Paralyze BOXの略。数秒間行動不能にするSpell "Paralyze"はDamageを食らうと解ける性質を利用し、"Magic
Trap(開けると1Damage食らう)"をかけたポーチを、Paralyze食らったら開ける事により即解除を可能とした。
Q-Staff=Mace系の武器。攻撃がHitする度にスタミナを削るMace系両手持ち武器の中で、最も速度が速く、Damageも安定していたスーパーウエポン。後にスタミナを削らないよう修正された。